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2007年01月24日(水) 00時00分

三洋電機クレジット買収、GEと新生銀が意向ZAKZAK

 三洋電機クレジットは、三洋が家電製品の割賦販売をすすめるため昭和44年に設立。その後中小企業向けの事業者ローンやクレジットカード事業など幅広く手がけるようになった。業績は好調で、平成18年3月期は不良債権の貸倒引当金の計上で98億円の最終赤字に陥ってはいるが、本業のもうけをあらわす営業収益は334億円ある。

 一方の三洋は事業多角化が裏目に出て、業績が悪化。平成17年末にゴールドマン・サックス(GS)、大和証券SMBCグループ、三井住友銀行の出資を受けて、経営再建に乗り出した。

 その際、クレジット株の売却も検討され、三井物産などと交渉に入ったものの、土壇場で破談。このためGSが持ち株の一部を引き受けた。現在はGSがクレジット株40%弱、三洋が約16%を保有している。クレジット側も18年3月期で不良債権を処理したことで売却への環境は整っていた。

 GSと三洋は昨年末から売却先の選定に着手。入札ではGEが新生銀行を価格的に上回っているもようだが、三井物産も今後参入してくる可能性もあるという。GSと三洋の持ち株すべてを取得する場合、買収額は400億円台後半となる。

 三洋の再建には事業の選択と集中、人員削減、経営陣の刷新が必要といわれてきたが、クレジットの完全売却は事業の絞り込みを加速することになる。今月16日には洗濯乾燥機などの白物家電を東京製作所(群馬)へ集中させた。

 これまで製造してきた滋賀工場(大津市)では、世界シェア4位で収益の柱になっている太陽電池パネルの生産を20年1月から始めるなどの生産拠点の再編を発表したばかり。

 さらに白物で最も赤字の大きかった家庭用冷蔵庫の生産を中国の家電メーカー、海爾集団(ハイアール)に任せるほか、昨年12月に締め切った50歳以上を対象とした早期希望退職には、約1000人が応募している。

 このほか、不振の携帯電話やデジタルカメラの立て直しを急いで、20年3月期での黒字達成を目指すとしているが、競争は激烈で、「黒字化は難しく、一層の事業集約をしないと目標達成は難しい」との声が同社関係者からも漏れている。

 一方のGEグループは日本でリースや消費者金融の子会社を傘下に持ち、金融部門の事業拡大を積極的にすすめている。新生銀行もノンバンク事業を強化しているほか、三井物産はリースや投資ファンドの運営を手がけ、金融事業に注力している。売却先は今年度中に決まる見通しだ。

ZAKZAK 2007/01/24

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_01/t2007012416.html