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2007年01月23日(火) 22時22分

新潮社に販売差し止め命じる判決 殺人での受刑者が勝訴朝日新聞

 北海道恵庭市で00年に起きた女性会社員殺害事件で懲役16年が確定し服役中の大越美奈子受刑者が、月刊誌「新潮45」と書籍の記載で名誉を傷つけられたとして、発行元の新潮社に販売差し止めなどを求めた訴訟の判決が23日、東京地裁であった。高野伸裁判長は、大越受刑者の勤務先で窃盗や放火が相次いだなどと指摘した部分について「事件を犯したと信じるに足りる相当な理由があったとは認められない」と述べ、記載を残したままの増刷や販売の差し止めを命じた。慰謝料など220万円の賠償も命じた。

 大越受刑者は殺人と死体損壊の罪に問われたが、自白や目撃証言などの直接証拠はなく捜査段階から一貫して無罪を主張。最高裁で昨年9月に有罪が確定した。高野裁判長は有罪が確定した事件の記載については名誉棄損を認めなかった。

 問題となったのは、月刊誌「新潮45」02年2月号の「恵庭美人OL社内恋愛殺人事件」と題する記事と、記事を採録した書籍中の記載。

 〈新潮社の話〉 判決内容には非常に不服なので、すぐに控訴する。

http://www.asahi.com/national/update/0123/TKY200701230379.html