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2007年01月23日(火) 12時57分

薬害C型肝炎、名古屋訴訟が結審 判決は7月朝日新聞

 血液製剤「フィブリノゲン」などでC型肝炎ウイルス(HCV)に感染したとして愛知県内などの患者男女9人が国と製薬3社を相手取り、総額約6億円の損害賠償を求めている集団訴訟が23日、名古屋地裁で結審した。結審は大阪、福岡、東京の各地裁に続いて4番目。判決は7月31日に言い渡される。

 最終弁論では、フィブリノゲンの投与で、肝がんと肝硬変になった東海地方の60歳代の女性原告が「国民は、国や製薬会社が安全な薬を開発、承認していると信用しているのに根底から覆した。早急に過ちを認め、裁判所には正義にかなった判決をお願いします」と陳述した。同じく慢性肝炎になった原告の金田和子さん(53)=愛知県豊橋市=は「何よりも命の尊さを見据えた判決を切に願います」と訴えた。

 原告側弁護団は、「フィブリノゲン製剤には原料や製法の点から、C型肝炎罹患(りかん)の重大な危険性があった」「製薬会社がずさんな資料で承認申請し、国がずさんな承認をし、多数の被害者を生み出した」と指摘し「公正な判決で、肝炎患者に明るい未来を」と訴えた。

 国側は「肝炎のリスクを考慮しても客観的に有用性があった」とし、国の承認などの判断に誤りはなかったと主張した。

http://www.asahi.com/national/update/0123/NGY200701230006.html