記事登録
2007年01月22日(月) 00時25分

宮崎知事選、そのまんま東氏が当選 自公推薦候補ら破る朝日新聞

 宮崎県知事選は21日投開票され、無所属新顔のタレント、そのまんま東氏(49)=本名・東国原英夫(ひがしこくばる・ひでお)=が新顔4氏を破り、初当選を果たした。官製談合事件に絡む前知事の辞職に伴う出直し選挙で、県政の信頼回復が争点になった。東氏は特定の政党や団体の支援を受けず、「しがらみのなさ」を強調。圧倒的な知名度を生かして無党派層や各党の支持層から幅広く支持を集め、政党の支援を受けた候補らを大差で破った。任期は同日から4年。投票率は64.85%で、前回03年7月の59.34%を上回った。当日有権者数は93万2127人。

支持者に囲まれ初当選を喜ぶそのまんま東氏=21日午後9時3分、宮崎市内のホテルで 

 東氏は同夜、記者団に対し、行財政改革や、指名競争入札の廃止をはじめとする入札制度の改革に取り組む決意を表明。そのための組織づくりを急ぐ考えを示した。

 東氏は行政、選挙の経験がないが、抜本的な県政刷新を求める有権者の幅広い支持を集めた。同県都城市出身。選挙運動は高校の同級生や知人らが中心となり、「草の根型」で展開。芸能人の応援など派手なパフォーマンスも封印し、「脱タレント」をアピールする戦術で臨んだ。

 マニフェストを前面に、談合を防ぐための入札制度改革や年350億円の予算を削減する県財政の再建策を主張。「全くの新人だけが政治を変えられる」と訴えた。

 県選出の国会議員5人のうち4人、県議42人のうち32人を占める自民は、県庁OB同士が競り合った前回に続いて分裂。東氏は、そのすきを突いて自民支持層にも食い込んだ。

 前林野庁長官の川村秀三郎氏(57)は町村長らで作る県町村会や自民の衆院宮崎1区支部に推され、民主、社民、連合宮崎の支援も受けた。長い行政経験から「即戦力」ぶりをアピールしたが、昨年末にずれ込んだ立候補表明の遅れが響いた。

 元経済産業省課長の持永哲志氏(46)=自民、公明推薦=は「景気対策や第2、3次産業の振興」に訴えの力点を置き川村氏との差別化を図った。県内の経済10団体からも推薦を受けたが、自民分裂が痛手となった。

 共産公認で党県委員長の津島忠勝氏(61)は党支持層を固めきれず、元高校教諭の武田信弘氏(52)も及ばなかった。

   ◇

 開票結果は次の通り(敬称略、確定得票)。

そのまんま東 266,807

川村秀三郎  195,124

持永哲志   120,825

津島忠勝    14,358

武田信弘     3,574

http://www.asahi.com/politics/update/0121/007.html