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2007年01月22日(月) 13時58分

1月22日付・よみうり寸評読売新聞

 そんな番組をつくって良心の呵責(かしゃく)を感じないのだろうか。番組づくりにプロとしての志、職人の魂のかけらもないような不祥事だ◆関西テレビが制作、フジテレビ系で放送された「発掘!あるある大事典2」。「納豆を食べるとダイエットができる」という内容がねつ造に基づくでたらめな番組だった◆やせたという比較写真、米国の研究者の発言、実験結果などの大半がでっち上げとはあきれ果てる。番組制作が孫請けにまで丸投げされるあたりに問題がある。が、だれの制作にせよ、ねつ造は制作の名に値しない◆そんなイロハ以前の不祥事で番組の信頼は失墜する。話は違うが、宮崎県知事選、そのまんま東氏の当選もこれまでの政治への信頼が失墜した結果だ◆まず県職員出身の知事が官製談合事件で失脚した。その出直し選挙というのに、自民党は分裂選挙の内輪もめ、民主党は独自候補の擁立を断念した。プロ政党の信頼が失墜、そのお粗末をタレント候補の草の根選挙が突いた◆宮崎県をそのまんまにしておけない。その責任が素人の東国原(ひがしこくばる)氏に負託された。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20070122ig05.htm