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2007年01月21日(日) 03時15分

「あるある大事典」の納豆ダイエットで捏造 関西テレビ朝日新聞

 フジテレビ系の生活情報番組「発掘!あるある大事典2」で、納豆のダイエット効果を紹介した7日放送分にデータ捏造(ねつぞう)などの問題が判明し、制作した関西テレビ(大阪市)が20日、発表した。番組では、納豆を食べた被験者の中性脂肪値が正常値になったとコメントし、字幕で数字をつけて紹介。だが実際には測定しておらず、他の実験でも測定や検査をしないまま、架空の数字を番組で流していた。会見した千草宗一郎社長は「放送局としての信頼を著しく損ない、視聴者の信頼を裏切ることになり、誠に申し訳ない」と謝罪した。

会見で謝罪する関西テレビの千草宗一郎社長(右)=20日午後6時15分、大阪市北区のホテルで

番組放送後、陳列棚から納豆が消えたスーパー=11日、大阪市内で

 同局は調査委員会を発足させ、過去の放送分についても問題がなかったか調べるとともに、今後も番組を続けるかどうか検討する方針。また総務省は週明けから同局に事実関係を確認し、放送法に抵触しないかを判断する見通しだ。

 7日の「食べてヤセる!!!食材Xの新事実」は、米国の大学教授の研究をもとに、「DHEA」と呼ばれるホルモンにダイエット効果があるとの説を紹介。納豆などに含まれるイソフラボンがその原料になるとし、20〜50代の被験者8人に朝晩2回、納豆を食べ続けさせた結果、2週間後に最高で3.4キロ減など全員の体重が減ったと報告した。この放送以降、スーパーなどでは納豆の品薄状態が続いた。

 しかし同局によると、米国のダイエット研究として紹介した内容は別の大学教授の研究だった▽米国の大学教授の発言として日本語訳で紹介したコメントは実際には発言していなかった▽DHEAの量を調べるために被験者から血液を採取したものの、検査はしていなかった、など計7カ所に問題があった。うち6カ所が捏造とみられ、1カ所はグラフの無許可使用だった。

 番組は、同局から制作を受注した「日本テレワーク」(東京)がさらに別のプロダクションに再発注して制作されたという。

 関西テレビは、被験者は実際に体重が減ったとし、「部分的には事実と異なる内容を放送してしまったが、番組全体については学説に基づいて制作した」としている。

 フジテレビ系列の各局は、21日午後9時から放送予定だった「発掘!あるある大事典2」の放送を取りやめることを決めた。後ろの情報番組「スタ☆メン」を1時間前倒しし、拡大して放送する。

http://www.asahi.com/life/update/0120/013.html