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2007年01月21日(日) 18時30分

兵庫・宝塚市カラオケ店3人死亡火災 店内で調理をしていたアルバイト店員の女逮捕フジTV

20日、兵庫・宝塚市のカラオケボックスで火事があり、高校生ら3人が死亡した。警察は、当時店内で調理をしていたアルバイト店員の女を業務上過失致死などの疑いで逮捕した。
楽しい週末の夜が一転、3人が死亡し、5人が重軽傷を負うという惨劇となったカラオケボックスの火災は、人災だった疑いが強まった。
当時、中にいた客は「大きな爆発が2度起きて、ガラスが全部割れて、飛んできたんですよ。もうその瞬間、だめだと思いましたよ。危ないって」、「若い女の子がすすだらけになって、頭もチリチリになって出てきて。それで『中に3人いてるんです!』って」と話した。
20日午後6時半ごろ、宝塚市安倉南のカラオケボックス「ビート」の調理場から火が出て、1階が全焼した。
この火事で、2階にいて逃げ遅れた無職の田中 真さん(18)が死亡、重体だった高校生の大本泰史さん(16)、会社員の平嶋優樹さん(17)も、21日になって死亡した。
また、女子中学生ら5人が、やけどなど重軽傷を負った。
死亡した田中 真さんの父親は「女の子らを先に、優先的に店から出したらしくて、自分らがあれしてくれた(犠牲となった)のかな...」と話した。
この火事で警察は、カラオケボックスのアルバイト店員・佐々木 美津子容疑者(35)を業務上過失致死と業務上失火の疑いで逮捕した。
佐々木容疑者は当時、調理場で中華鍋にサラダ油を入れて揚げ物をしていて、そのサラダ油が発火したもので、調べに対し「とにかく忙しかった。目を離したすきに炎が上がった。大変なことをしました」と容疑を認めている。
また、調理場の外では未使用の消火器が見つかり、佐々木容疑者は「使い方がわからなかった」と供述している。
火事があったカラオケボックスは2階建てで、当時は1階に8人ほど、2階に男女4人ずつのグループがカラオケを楽しんでいて、店員は1人だけだった。
そして、1階の調理場から出火し、2階にいた客が逃げ遅れた。
この建物は、25年ほど前に倉庫兼事務所としての届け出はあったものの、警報設備や防火カーテンなど、より厳しい防火態勢が義務づけられるカラオケボックスへの変更届は、出されていなかった。
店に行ったことのある人は「普通は電気ついてますよね、非常口。そんなもん、全然見たこともない」、「部屋も狭くて、扉とかも普通のお店よりちょっと狭い感じで、一緒に逃げようとしたら、詰まりますね。階段は、1人通れるかどうかの狭さなんで」と話した。
けがをした女の子の母親は「(非常ベルは)鳴ってなかったと(娘は)言ってました」と話した。
さらに、2階の窓は防音のためか、すべてベニヤ板でふさがれていて、救急隊員も進入するのに苦労した。
大惨事を招いた背景には、カラオケボックスのずさんな防火態勢もあり、人災だったともいえる。
警察では、業務上過失致死などの疑いもあるとみて、店の経営者から事情を聴いていて、22日も現場検証を行うことにしている。
highlow highlow 2007/01/21 18:30 取材: 関西テレビ

http://fnn.fujitv.co.jp/headlines/CONN00104006.html