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2007年01月21日(日) 22時09分

宮崎知事選、そのまんま東氏が当選確実朝日新聞

 宮崎県知事選は21日投開票され、無所属新顔のタレント、そのまんま東氏(49)が新顔4氏を破り、初当選を確実にした。福島、和歌山に次ぐ官製談合事件に絡む前知事の辞職に伴う出直し選挙。県政の信頼回復が争点になり、東氏は特定の政党や団体の支援を受けず、「しがらみのなさ」や「清新さ」を強調。無党派層や若年層を中心に支持を広げた。

当選を決め、支持者に囲まれて笑顔をみせるそのまんま東氏=21日午後9時3分、宮崎市内のホテルで 

 東氏は行政、選挙の経験がないが、抜本的な県政刷新を求める有権者の幅広い支持を集めた。同県都城市出身。選挙運動は高校の同級生や知人らが中心となり、「草の根型選挙」を展開。芸能人の応援など派手なパフォーマンスも封印し、「脱タレント」をアピールする戦術で臨んだ。

 マニフェストを前面に、談合を防ぐための入札制度改革や年350億円の予算を削減する県財政の再建策を主張。「全くの新人だけが政治を変えられる」と訴えた。

 県選出の国会議員5人のうち4人、県議42人のうち32人を占める自民は、県庁OB同士が競り合った前回に続いて分裂。東氏は、そのすき間に無党派層を足がかりに浸透した。終盤にマスコミ各社の情勢調査で「健闘」が報じられ、投票率が上がったのも有利に働いた。

 前林野庁長官の川村秀三郎氏(57)は町村長らでつくる県町村会や自民の衆院宮崎1区支部に推され、民主、社民、連合宮崎の支援も受けた。「県民党」を掲げ、農林水産省OBとして「即戦力」ぶりをアピールしたが、昨年末にずれ込んだ立候補表明の出遅れが響いた。

 元経済産業省課長の持永哲志氏(46)=自民、公明推薦=は「景気対策や第2、3次産業の振興」に訴えの力点を置き、川村氏との差別化を図った。県内の経済10団体からも推薦を受けたが、自民の分裂が痛手となり、農林水産業者の支持も川村氏と分け合う形になった。

 共産公認で党県委員長の津島忠勝氏(61)は党支持層以外に浸透できず、元高校教諭の武田信弘氏(52)も及ばなかった。

http://www.asahi.com/politics/update/0121/007.html