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2007年01月20日(土) 00時00分

不二家、資産売却を検討 本社や関連会社株も 中日新聞

 消費期限切れの原料使用問題で洋菓子販売などを休止している不二家は、保有不動産などの資産売却の検討を始めた。販売休止による減収に加え、フランチャイズ店への休業補償で毎週1億円以上の支払いが必要。スーパーなど店頭での菓子製品撤去も続いており、財務内容の悪化が避けられないためだ。

 取引銀行幹部は「当面の資金繰りは問題ない」と話す一方、不動産や保有株の売却は避けられないとの見方を示す。営業立て直しが遅れれば、関連会社の株式や一部事業の売却を迫られる場面も出てきそうだ。

 不二家は1910年創業の老舗で、好立地の不動産を持っている。売却対象として有力視されるのは東京・銀座7丁目にある本社だ。財務書類上の資産価値は、土地に関して50年と78年の取得時点の価格を計上しているため7億円にとどまるが、時価では数十億円以上とみられる。

 銀行関係者も「本社を銀座に置く必然性はなく、工場内でもいい」と指摘、売却の有力候補とみる。

 不二家は銀座6丁目にも直営店の入った商業ビルを保有する。さらに森永製菓やアサツーディ・ケイの株式など計54億円相当の投資有価証券を持っており、これらも売却の検討対象となる見通し。

 不二家が米国企業と合弁でつくったアイスクリームチェーンの「B−Rサーティワンアイスクリーム」に注目する業界関係者も多い。大手菓子メーカー幹部は「ブランド力が魅力」と関心を寄せる。不二家は株式の43・3%を保有しており、全株売却すれば19日の時価換算で約105億円を得る計算だ。


http://www.chunichi.co.jp/00/kei/20070120/mng_____kei_____000.shtml