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2007年01月20日(土) 00時00分

ひき逃げで起訴 男性に無罪判決 「証拠上、疑問の余地」読売新聞

 桶川市で乗用車を運転中に事故を起こし、バイクの男性に重傷を負わせたとして、業務上過失傷害と道交法違反(ひき逃げ)の罪に問われた住所不定、無職の男(25)(窃盗罪などで服役中)に対し、さいたま地裁(吉川昌寛裁判官)が、無罪判決(求刑・懲役2年6月)を言い渡していたことが19日、わかった。

 判決によると、男は2004年2月5日午前9時ごろ、桶川市川田谷の市道交差点で右折した際、バイクと衝突し、バイクの男性(当時36歳)に右足骨折の重傷を負わせ、逃走したとして逮捕、起訴された。

 公判で、弁護側は、乗用車は、事故直前に男がコンビニエンスストアに寄った際、何者かに盗まれたと無罪を主張。検察側は、逃げた男の目撃証言などを立証の支えとしていた。

 判決で吉川裁判官は「証言は身体的特徴が何も示されていない」と指摘。「盗んだ何者かが事故を起こした可能性もある」とし、「証拠上、様々な疑問を差し込む余地が残っている」とした。さいたま地検は「主張が認められず遺憾。上級庁と協議して対応を決めたい」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saitama/news005.htm