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2007年01月20日(土) 00時00分

【’07知事選】ネットの「運動」やまず朝日新聞

  21日投開票の知事選。選挙戦が激しくなる中、一部の支持者がインターネットを通じ、電子メールやウェブサイトで特定の候補者を応援する運動を続けている。告示後の、法定文書以外の配布を禁じた公職選挙法違反の疑いがある。だが発信元の特定が難しいため、取り締まりは手つかずなのが現状だ。(知事選取材班)

 「投票に行こう」「携帯に入っている全(すべ)てのアドレスに転送して」。告示後、県内で出回っている携帯電話のメールの文面だ。候補者の名前を出さずに投票行動を呼びかける内容。だが、読み進んでいくと、ある陣営のキャッチフレーズが現れる。さらに、その候補者を応援するサイトへつながる仕組みになっている。

 応援サイトにつなげてみると、候補者の名前や似顔絵、政策などが掲載されている。19日夕現在、表示されている閲覧者数は、のべ1600人を超えている。

 メールの送信やサイトの運営をしているのは「勝手連」を名乗る団体。昨年12月末にサイトを立ち上げ、告示後は内容を更新していないが、登録した人への1日1通程度のメール配信は現在も続けている。

 応援を受けた形になる、この候補者の陣営関係者は「勝手連が賛同者に内部資料を配っているだけ」と言い、関与を強く否定している。

 別の候補者の選挙運動を紹介するインターネット上の公開日記(ブログ)もある。こちらも運営は「勝手連」だ。候補者の遊説の様子を写した写真や、主張を紹介した記事が掲載され、現在も更新され続けている。

 告示後に特定の候補者を応援するインターネット上の選挙運動について、総務省選挙課は、公選法違反の疑いが強いと指摘する。「告示後の新たな配布が認められるのは、法定のはがきとビラだけ。特定の候補者の応援と思われるメールの送信やウェブサイトの更新も公選法違反になる」との見解だ。

 県警が設置した「県知事選挙取締本部」は、メールやブログでの選挙運動を把握している。ただ、運営者の特定が難しい。インターネットのプロバイダーに発信元を照会しても、個人情報だとして簡単には協力を得られず、裁判所から差し押さえの許可をもらう手続きの間に、サイトが消去されてしまうこともあるからだ。

 取締本部の捜査2課の成沢広之警部は「積極的に取り締まりたいと思っているが、法律がネット時代に追いついていない面もあり難しい」と話した。

http://mytown.asahi.com/yamanashi/news.php?k_id=20000000701200003