記事登録
2007年01月20日(土) 23時49分

納豆ダイエット実験ねつ造…手口悪質、番組打ち切りも読売新聞

 「ダイエット効果がある」として納豆を取り上げ、全国の小売店での品薄騒動を引き起こしたフジテレビ系のテレビ番組「発掘!あるある大事典2」を制作した関西テレビは20日、記者会見を開き、実験が「捏造(ねつぞう)」だったことなどを明らかにし、千草宗一郎社長が陳謝した。

 制作の手口も悪質で、テレビの信頼を損なったことから、番組打ち切りも含めた厳しい対応の検討を始めた。

 同局によると、実験の捏造が発覚したのは、7日放送の「食べてヤセる!!! 食材Xの新事実」。アメリカのダイエット最新情報を基に、男女8人を対象に様々な形で納豆を食べてもらい、ダイエットの効果を検証する内容だった。1日2パックの納豆を朝晩に分けて食べ続け、2週間後に数キロやせたとする事例を紹介した。

 しかし実際は〈1〉アメリカのダイエット研究で、やせたとする3枚の比較写真は被験者と無関係〈2〉アメリカの研究者がダイエット効果を話したとする発言はなかった〈3〉実験した8人のコレステロール値、中性脂肪値、血糖値の測定はしていない〈4〉納豆の食べ方を変えて測定したとする実験結果は架空——など、取材や実験結果の大半は捏造だった。

 この番組については、12日に、週刊誌から放送内容は事実と異なると指摘があり、制作を委託した会社の日本テレワークなどに聞き取り調査をしたことから「捏造実験」が判明した。

 同局は「アメリカでの取材が難航し、制作会社の人間が追い詰められていたのが一因」と説明。実験をでっち上げた点については、「調査委員会を設置し、全容を明らかにした上で再発防止策を練る」としている。

 この日は、同番組を21日の放送からしばらくの間、中止する、と発表するにとどめたが、関係者によると、信頼性を根幹から揺るがす内容だったため、番組打ち切りなど、厳しい措置を取るものと見られる。

 千草社長は「事実と異なる内容を含む番組を放送いたしましたことは、報道機関としての放送局の信頼を著しく損なうものであり、視聴者の皆様を裏切ることとなり、誠に申し訳ございません」と陳謝した。

 この番組は1996年10月に「発掘!あるある大事典」としてスタート。2004年4月から、出演者を入れ替えるなどして「あるある大事典2」となった。ビデオリサーチの調べによると、「納豆はダイエットに効果がある」とする7日の放送の視聴率は、関東地区が14・5%、関西地区が17・4%だった。

http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20070120i314.htm