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2007年01月20日(土) 21時45分

納豆ダイエット実験ねつ造…手口悪質、番組打ち切りも読売新聞

 「ダイエット効果がある」として納豆を取り上げ、全国の小売店での品薄騒動を引き起こしたフジテレビ系のテレビ番組「発掘!あるある大事典(2)」を制作した関西テレビは20日、記者会見を開き、実験が「ねつ造」だったことなどを明らかにして陳謝した。

 制作の手口も悪質で、テレビ番組の信頼を損なったことから、番組打ち切りも含めた厳しい対応の検討を始めた。

 会見によると、実験のねつ造が発覚したのは、7日放送の「食べてヤセる!!! 食材Xの新事実」。アメリカのダイエット最新情報を基に、男女8人を対象に様々な形で納豆を食べてもらい、ダイエットの効果を検証する内容だった。

 しかし実際には、ダイエット効果の根拠となる「中性脂肪値」などを測定しておらず、番組で表示された数値は架空のものだった。アメリカの研究者のコメントも勝手に作成し、また、「やせた」とされるアメリカ人の比較写真も、被験者と無関係だった。

 この番組については、12日に週刊誌から放送内容を疑問視する指摘があり、制作会社に聞き取り調査をしたことから「ねつ造実験」が判明した。

 同局は「アメリカでの取材が難航し、制作会社の人間が追い詰められていたのが一因」と説明。実験をでっち上げた点については、「調査委員会を設置し、全容を明らかにした上で再発防止策を練る」としている。

 この日は、同番組を21日の放送からしばらくの間、中止する、と発表するにとどめたが、関係者によると、放送の信頼性を根幹から揺るがす内容だったこともあり、番組打ち切りなど、厳しい措置を取るものと見られる。

 関西テレビの千草宗一郎社長は「事実と異なる内容を含む番組を制作し、放送いたしましたことは、報道機関としての放送局の信頼を著しく損なうものであり、視聴者の皆様の信頼を裏切ることとなり、誠に申し訳ございません」と陳謝した。

 この番組は1996年10月に「発掘!あるある大事典」としてスタート。2004年4月から、出演者を入れ替えるなどして「あるある大事典(2)」となった。「納豆はダイエットに効果がある」とする7日の放送終了後、全国のスーパーなどで納豆が売り切れるなどの影響が出ていた。

http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20070120i314.htm?from=main3