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2007年01月19日(金) 00時00分

住基ネット利用を検討 県の事務 早ければ新年度から 東京新聞

 県が、県の事務における住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の利用を、早ければ二〇〇七年度から開始する方向で検討していることが分かった。住民基本台帳法により、都道府県は旅券(パスポート)発給など計三十二事務の本人確認に住基ネットを利用できるが、全国四十七都道府県で長野県だけ利用を見送ってきた。

 県は〇四年八月に、〇五年一月から旅券発給事務で住基ネットを利用する方針を打ち出したが、県本人確認情報保護審議会で費用対効果の試算などをめぐって異論が噴出。田中康夫知事(当時)も再考を表明し、県は結局「県財政は厳しく緊急性に乏しい」との理由で事実上撤回した。以降、住基ネット利用は凍結状態となっていた。

 本人確認で住基ネットを利用できる都道府県事務は、旅券発給のほか恩給給付や建設業許可、大規模小売店の新設に関する届け出など。中でも一般市民に身近で住民票の写しの提出が原則不要になる旅券発給については長野県を除く四十六の都道府県で実施している。

 どの事務で住基ネットを利用するかはまだ具体化していないが、今後、実施に向けて費用対効果や運用の安全性などの面から検討し「条件がそろったものから早期に実施したい」(県市町村課)としている。方針がまとまれば、県本人確認情報保護審議会にも意見を求める。

 (中沢稔之)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/ngn/20070119/lcl_____ngn_____000.shtml