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2007年01月19日(金) 00時00分

調査費返還の請求棄却 地裁壬生町議の海外視察で 東京新聞

 町議の海外旅行に政務調査費を交付したのは不当だとして、壬生町の住民団体「みぶ町民の会」の江田敬吉会長が清水英世町長に対し、約二十三万円の調査費を町議側に返還請求するよう求めた訴訟の判決が十八日、宇都宮地裁であり、福島節男裁判長は原告の請求を棄却した。

 福島裁判長は判決理由で「政務調査費相当の損失は事後的に補てんされており、清水町長が町議側に対して返還請求をしなかったとしても、壬生町に損害はない」とした。

 原告の江田会長は判決を受けて「町議側が使途基準違反を認め、全額を返還したことは事実上の勝訴」と述べ、控訴しない方針を明らかにした。

 判決によると、町議は二〇〇四年末から〇五年はじめにかけて、妻を同伴してカンボジアとベトナムを旅行。町は同町議の会派「夢積会」に対し政務調査費二十四万円を交付したが、住民団体の提訴後の昨年七月下旬、同会派が「使途基準に違反していた」として全額を返還していた。

 住民団体は〇五年七月に住民監査請求を行ったが、町監査委員が棄却したため同九月に提訴していた。同町議は〇六年三月の町議選で落選した。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tcg/20070119/lcl_____tcg_____001.shtml