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2007年01月19日(金) 00時00分

民主系・公明も不明朗支出朝日新聞

 品川区議会の自民党区議団が政務調査費を不適切な飲食費に使っていた問題にからみ、民主系や公明の他会派でも不明朗な支出があったことが朝日新聞社の調べでわかった。ただ、自民党区議団に対する住民訴訟の影響もあり、公明党会派は05年度から飲食費として使うのをやめ、民主系会派は06年度途中から議会開催日の弁当代にあてるのは「日当との二重取り」だとしてやめている。

 朝日新聞社は情報公開請求によって入手した03年度〜06年9月分について、同区議会の民主系会派「品川区民連合」(7人)と品川区議会公明党(同)の政務調査費を調べた。

 区民連合は05年3月のある週、火曜日に複数の女性が働くスナックに足を運ぶと、直後の木曜日にはカラオケも歌える別のスナックで飲食した。それぞれ4万5千円、2万円を「会議費」として処理している。

 土井洋一幹事長は「会派としてスナックの領収書は認めていないが、チェックが甘かった」と釈明する。

 03年12月には、しゃぶしゃぶ店で10万6千円という支払いもある。土井幹事長は「しゃぶしゃぶ店は立派な個室があり、国会議員らとの懇談会を開いた」と説明する。

 品川区が保養施設に指定している神奈川県湯河原町の宿泊施設。05年春に視察をした際、定額の食事代のほかに刺し身の舟盛りやステーキ、ビールなど約2万2千円を追加注文している。これは「研修費」として処理した。

 領収書のあて名にある大西光広区議は「飲食費はすべて認められていると思い全額請求した」という。宿泊先の飲食費について、会派内の基準はない。

 一方、公明の「飲食費」は視察先での会食や議会開催中の出前が大半を占めた。

 03年6月、神戸市に会派で視察に行き、JR三ノ宮駅近くにあるステーキ店で神戸牛を食べた。飲食代は締めて4万1265円。

 公明の会計責任者は「民間でも研修先の食事代は出る。だが税金なのでその後はやめることにした」と釈明する。住民訴訟の提訴後の議論の高まりや外部からの指摘もあり、飲食費に使うのはすべてやめたという。

 朝日新聞は収支報告書に添付された領収書のうち、喫茶代や菓子代を除いたものを「飲食費」として取り出し集計した=グラフ参照。

 区民連合の政務調査費に占める飲食費の割合は16%〜19%の範囲で推移し、総額では05年度までは自民の約半分だった。議員数が自民の半数前後だったことを考慮すれば、1人当たりの飲食費の差は少ないとも考えられる。

 自民は住民訴訟の提訴後の05年度から減少傾向にあり、06年度上半期には区民連合が総額で自民を上回っている。

■架空領収書総額200万円弱に

 品川区の築舘武雄区議(自民)が、白紙の領収書に架空の金額を書き込み政務調査費の収支報告書に添付していた問題で、築舘区議は18日、偽の領収書は書店だけではなく、区内のほかの文具店のものも使って処理していたことを認めた。

 架空請求は政務調査費の支給が条例化された01年度から始まったという。03年度以降では少なくとも150万円以上に及び、01年度からの総額では200万円弱になる見込みだという。

 築舘区議は自民党区議団の会議で「ご迷惑をかけました」と謝った。過去の領収書を精査し、不適切な分については区に返還する準備を進めている。

http://mytown.asahi.com/tokyo/news.php?k_id=13000000701190001