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2007年01月18日(木) 00時00分

10年ぶりの新オフィス、ファイル形式を変更読売新聞

マイクロソフト横井本部長が語る「大刷新でこう使いやすくなった」インタビュアー=石渡真吉(編集部)

「オフィス2007は使いやすさを重視して、大幅にリニューアルしました」と語るマイクロソフト・インフォメーションワーカービジネス本部長の横井伸好さん

 07年1月30日、新OSビスタと同時に新バージョン「オフィス2007」が発売になる。マイクロソフト日本法人の横井伸好インフォメーションワーカービジネス本部長に10年ぶりとなる大刷新の中身を聞いた。

——リニューアルでの変更点は。

「10年前の『オフィス97』発売以来、全面的にユーザーインターフェース(画面操作)を変更しました。ファイル形式も新しくなります」

——操作や画面がだいぶ変わったようですが。

「『オフィス』は世界中で約4億人が使っています。皆様に満足して使っていただくにはどう改善したらいいか、4年の歳月をかけて操作を徹底的に調べました。目の動きを調べる『アイボールトラッカー』という装置を使い、よく使う操作や無駄な手順の調査もしました」

直感的な操作ができる

——製品にはどう反映しましたか。

「現在の『ワード2003』には1500ものコマンドがあります。なかなか目的のものを見つけにくい。この反省から、優先度の高いものを左側に配置し、右に流れるような操作ができます。なじみのあるアイコンは変えずに、それを『リボン』という項目にまとめ、直感的に目的の操作ができるようにしました」

——「2003」などを使い慣れている人は乗り換えにくいのでは?

「もちろん新しい操作になると最初は戸惑うかもしれません。しかし、事前にシミュレーションをしたら、2時間から2週間で慣れるという結果が出ました。リボンやメニューは目的別に配置されているので、すぐに慣れるはずです」

——ファイル形式(注1)を変えましたが、ビジネス寄りの変更なのでは?

「それは誤解です。ファイル形式を、会社のサーバーなどと連携しやすいXML(拡張可能なマーク付き言語)形式にしましたが、個人ユーザーにもメリットがあります。

 1つは、ファイルサイズが小さくなることです。ファイルによりますが、7MBが1MBになる例もありました。メールに添付しても送信先に迷惑がかかりません。2つ目は、ファイルが壊れても、修復しやすくなることです。XML形式は、ファイルがバラバラになっているものをZIP形式で圧縮しています。中身はテキストや画像など別々なので、万が一ファイルが壊れても元に戻しやすくなります。インターネット時代の電子文書として最適です」

——最近、他社から格安のオフィスソフトが発売されていますが。

「機能を比べると、『オフィス2000』のレベルです。格安のソフトは、まねをするだけで、革新的な機能が実現されていません」

——グーグルではネット上でワープロや表計算ができるサービスを、ベータ(試用)版で開始しています。

「コンセプトは面白いと思います。実は我々もオフィスライブという機能で、同じように提供していくつもりです。ただ、グーグルはあくまでネット上だけで扱うデータです。『オフィス』は、パソコンの中でも、ネットでも両方使えるようになります。つまり『ソフト+サービス』というグーグルにはないものを提供し、『オフィス』は、オフィスライブと融合していきます」

——「オフィス2003」のユーザーにどう乗り換えてもらいますか。

「まず体験してもらいたいです。きっと良さがわかると思います。また、今お使いのものから、安価でアップグレード(注2)できるようにしています」(2006年12月24日発売「YOMIURI PC」2007年2月号から)

 例えば「ワード」のファイル拡張子は、「doc」から「docx」に、「エクセル」は「xls」から「xlsx」になった。ファイル形式はXML形式となり、サーバーと連係しやすくした。
 2007年3月15日までにオフィス2003の対象製品を購入すると、3000円でアップグレードできるキャンペーンを実施中。

http://www.yomiuri.co.jp/net/frompc/20070118nt07.htm