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2007年01月18日(木) 00時00分

飲食費で『二重基準』 品川・政調費訴訟 自民“敗訴” 東京新聞

 品川区議会の自民党区議団が飲食に使った政務調査費の返還を求めた訴訟の控訴審は十七日、原告住民側の実質的な完全勝訴で終わった。しかし同区議団は、訴えられた二カ年度分の飲食費は全額を返還したが、二〇〇三年度分以降については、今も返還の意向を示していない。訴えられた分は全額「目的外支出」と認め、その他は認めない「二重基準」は、さらに区民から批判を浴びそうだ。

 この日の東京高裁判決は、形式上は原告住民側の請求棄却。これは、区議団が高裁判決直前になって、訴えられていた支出分の全額を区に返還したので、原告側が訴える理由がなくなったため。原告の品川区民オンブズマンの会は同日、「区議団が目的外支出を認めたため、百パーセント目的を達した」と実質的に完全勝訴とした。

 “敗訴”となった区議団が返還を求められていたのは、〇一、〇二年度に飲食に使った政調費。控訴審まで正当性を争ったのに、判決直前に自ら全額返還した。しかし、訴訟対象外の〇三年度以降も飲食への支出があるうえ、同じ日に一つの店で二度飲食をしたり、定休日のはずの日に飲食したことを示す領収書を添付するなど、不適切な支出が指摘されている。

 築舘武雄幹事長は同日、「〇一、〇二年度は区議団で合意して全額を返した。その後、〇三年度以降について区議団から『全額返すのではなく、中身を精査し、返還の必要があるものを検討すべきだ』と違う意見が出てきた」と説明した。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20070118/lcl_____tko_____001.shtml