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2007年01月18日(木) 00時00分

『不二家は誠実対応を』 社長に異例の要請 農水省を訪れ期限切れ原料使用問題について謝罪する、不二家の藤井林太郎社長(左から2人目)ら=17日午後、東京・霞が関で 東京新聞

 大手菓子メーカー「不二家」(東京)の消費期限切れ原料使用問題で、厚生労働、農林水産両省は十七日午後、同社の藤井林太郎社長を呼び、工場がある埼玉県など関係自治体の立ち入り検査に誠実に対応することや衛生管理の徹底を求めた。自治体による検査の継続中に、国が企業トップに対し要請に踏み切るのは異例という。 

 厚労省の藤崎清道食品安全部長は一連の問題に関し「国民の食の信頼を揺るがす重大な事案で大変遺憾」と述べた。その上で「食の不安・不信を取り除くために事実の究明が必要だが、自治体の関係工場への調査では、的確な情報が十分に伝えられていない」と指摘、本社から工場に改善を指示するよう求めた。

 これに対し、藤井社長は「本社と工場とのコミュニケーションが十分ではなかった」と釈明した。

 続いて農水省で藤井社長は菓子業界を所管する総合食料局の岡島正明局長に面会し、「国民・社会の信用を失墜し申し訳ない。安全・安心の信用を回復するため、一日も早く原因究明と問題解決を図りたい」と謝罪。岡島局長は「不適切な行為を二カ月も公表しないなど、消費者の間に不信を招いたことは誠に遺憾」と批判。早急にコンプライアンス(法令順守)態勢を確立し、改善取り組み状況を随時報告するよう求めた。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070118/mng_____sya_____010.shtml