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2007年01月18日(木) 00時00分

女性殺害し冷蔵庫に遺棄の焼肉店はネットで大評判の店ZAKZAK

 札幌市中央区のアパート経営者、伊沢裕子さん(73)が殺害された事件で、逮捕された焼肉店店長は、遺体を1週間近く店内の業務用冷蔵庫に入れたまま、平然と営業を続けていた。同店はネットの口コミなどで「札幌一」と評されるほど、評判の焼肉店だった。

 北海道警によれば、8日に伊沢さんと連絡が取れないと娘から届け出があり、札幌西署捜査本部が調べを進めたところ、16日、伊沢さん所有の建物1階で焼肉店「新羅館」を経営する杉本功司容疑者(28)が殺害を自供。厨房(ちゅうぼう)奥の業務用冷蔵庫で遺体が見つかり、死体遺棄容疑で逮捕した。

 遺体は「電源が入っていない冷蔵庫内で、窮屈に腰を折り曲げ横を向いた状態」(捜査関係者)で、1週間近く経過していた。前頭部にはハンマーで殴られたような跡が1カ所、胸や腹には刺し傷が10カ所以上あり、ほぼ即死状態だった。

 杉本容疑者は消費者金融などに数百万円の借金があり、調べに対し「9日ごろ店内で殺した。金に困っていたので金品を取ろうと思った」と供述しているが、2人の間で建物管理をめぐるトラブルがあったともされる。

 意外にも店の評判は上々。店の裏手に事務所を構える女性社長は、「古いお店。カルビ1人前1000円前後とそれなりに高かったが、家族連れや若いカップルなど、いつも2、3組はいた。よく吟味されたおいしい肉を使っていた」と話す。年に数回は慰労会で店を使ったといい、「女子学生が1、2人でホールを担当し、会計になると店長が出てきた。無口でおとなしい」と振り返る。

 また、インターネットのグルメサイトでも人気だ。全国の焼肉店のクチコミ情報を集めた「eバリュー!」では、≪札幌一うまい。カルビ・ロースともに文句なし≫≪新羅館のタレはまさに絶品。私を満足させてくれるお店に出会いました≫と絶賛の声。「Yahoo!グルメ」でも、≪噂に聞き、先日行きました。噂以上に美味しくてびっくり!。新羅ホルモンが最高でした≫と4つ星で評価されている。

 遺体と一つ屋根の下、肉を頬張っていた客には、いかにも後味が悪い事件となった。世間がうらやむエリート一家、セレブ夫婦、そして繁盛店の店長。猟奇的な犯行の連鎖は止まらない。

ZAKZAK 2007/01/18

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_01/t2007011801.html