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2007年01月18日(木) 12時23分

文科省、LEC大に改善勧告へ 設置基準に違反の疑い朝日新聞

 文部科学省は、構造改革特区制度を使って株式会社として設立された「LEC東京リーガルマインド大学」(本部・東京都千代田区)について、専任教員が教育も研究も行わず、法令に違反している疑いがあるとして、学校教育法に基づく初の改善勧告を行う手続きを始めた。近く大学設置・学校法人審議会に諮問し、答申を受けて勧告する見通しだ。

 LEC大は、構造改革特区制度を利用して04年4月、資格試験対策の予備校を経営する株式会社「東京リーガルマインド」が開校。昨年3月、単位認定方法などをめぐって文科省から「警告」を受けていた。

 文科省がその後調査したところ、専任教員の中に担当授業をせず研究もしていない教員がいる▽一部のビデオ授業で教員がおらず学生との質疑応答ができない——といった疑いが出てきた。

 文科省はこれらの点について事実関係を詰めており、事実なら専任教員に教育と研究を求めた大学設置基準に違反するとしている。

 新大学の設立認可について、文科省は厳しい事前審査態勢をとってきたが、規制緩和の流れを受けて03年に認可基準を緩めた。一方で事後チェックを徹底するため学校教育法を改正し、法令違反があった場合は改善勧告、続いて変更命令を出し、それでも改善が見られない場合は廃校を命じることができるようにした。

 LEC大は総合キャリア学部の1学部制で、各種の資格取得試験対策を特色としている。学生数は通信教育課程と合わせて約790人。同大は「法令違反にあたるかどうかは文科省の判断をまつ。改善勧告を受けた場合は内容を検討し、真摯(しんし)に改善していきたい」とのコメントを出した。

http://www.asahi.com/life/update/0118/005.html