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2007年01月17日(水) 00時00分

不二家 工場長認識の甘さ認める 『コストより安全のウエート低かった』 東京新聞

 県川口保健所に期限切れ原料問題の報告書を提出した大手菓子メーカー「不二家」埼玉工場(新座市)の広門昭男工場長が十六日、「コストに対し食品の安心・安全という部分のウエートが若干下がっていたと思う」と、工場内の認識が甘かったことを認めた。 (藤原正樹、安藤恭子)

 提出後、取材に応じた広門工場長によると、同工場では昨年十一月八日に消費期限が一日過ぎた牛乳をシュークリームの原材料に使用。出荷翌日の九日、社内の改善プロジェクトチームに入るコンサルタントから事実を知らされたが、現場に「消費期限の過ぎたものは使わないように」と注意しただけで、本社に報告しなかったという。

 工場従業員は現在、清掃作業などを続けているといい「まずは品質保証体制をつくることが、不二家ブランドを維持するための策。今週中にはマニュアルを整理し、一刻も早く稼働できる体制にしたい」と話した。

 一方、上田清司知事は十六日の定例会見で、県の指導に従わない企業については、名前の公表など実質的なペナルティーを設ける考えを示した。

 県は食品衛生法に基づいた独自の規定に基づき、大規模食品営業所の立ち入り検査を実施し、改善指導をしている。不二家・埼玉工場は昨年十二月に検査を実施。原材料ごとに製品出荷先を特定し追跡調査できる体制が整っていないことが分かり、製品管理システムの改善を指導していた。

 しかし「施行条例の『指導』はあくまで“努力規定”で、民間企業に強制できない」(生活衛生課)のが現状。このため、上田知事は「企業名公表は、事実上のペナルティーになる。公表を考えていきたい。公表でも効果がない場合は、国に(罰則を設けた)法令改正を要望していく」と話した。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/stm/20070117/lcl_____stm_____000.shtml