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2007年01月17日(水) 00時00分

裁判員制度の理解を 市川西高検察官が一日教師 東京新聞

 裁判員制度について理解を深めてもらおうと、市川市の県立市川西高校(石井鏡子校長・五百六十八人)で十六日、千葉地検の検察官が一日教師を務め講義を行った。

 教師役は地検刑事部の高長伯(こうながのり)検事(32)。一年生五クラス(百九十六人)の「総合的な学習」の授業で計五回、制度の仕組みや意義、検察官の役割を説明した。この後、生徒たちは実際にあった殺人事件の量刑について、八グループに分かれて討議を行い、裁判員を模擬体験した。

 取り上げたのは、妻(67)が自宅で寝たきりの夫(71)の首を絞めて殺害した事件。夫婦は二人暮らしで介護疲れが犯行の動機だった。

 討議の結果、量刑は無期懲役から執行猶予つきの有期刑まで幅広い意見が出た。量刑理由もさまざまで、あるグループは「女性は精神的に追い詰められていたので仕方ない」と懲役三年、執行猶予一年半と結論づけた。

 高検事は「それぞれ意見が違って当たり前で、一般の意見を裁判に取り入れることが制度の目的。正解はないのでどんどん意見してほしい」と語った。

 授業を受けた生徒の一人(16)は「私は死刑でもよいと思ったが、グループでは反対された。全員の意見をまとめるのは難しかった」と話していた。 (武田雄介)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/cba/20070117/lcl_____cba_____001.shtml