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2007年01月17日(水) 00時00分

不二家「ペコちゃんのほっぺ」で食中毒隠しZAKZAK

 次々とずさんな製品管理が明らかになる菓子メーカー大手、不二家(東京都中央区)。平成7年には、同社製の生菓子による食中毒が発生していたにもかかわらず、事実を公表していなかったことが17日、分かった。同社の製品を撤去するスーパーやコンビニが日増しに増えている上、「ネクター」などの人気飲料を自動販売機から撤去する動きもある。

 不二家と大阪府によると、食中毒が発生したのは平成7年6月。同社泉佐野工場(大阪府泉佐野市)が製造した洋生菓子「ペコちゃんのほっぺ」を食べた同府守口市や吹田市、京都市の少なくとも計9人が嘔吐(おうと)や下痢などの食中毒症状を訴えた。いずれも軽症だった。

 不二家は泉佐野保健所に食中毒の発生を報告。症状を訴えた人の嘔吐物からブドウ球菌(エンテロトキシンA型)が検出され、同工場に保存されていた「ペコちゃんのほっぺ」からも同じ菌が検出されたため、同保健所が同工場を2日間の営業停止処分にした。

 同社は商品を回収するとともに、温度管理などを改善し、同保健所に報告した。しかし、謝罪広告や店頭でのおわびの告知などは行わなかった。

 大阪府も、当時の内規で「患者数が20人以上の際は報道発表する」となっていたため、20人未満のこの案件を公表しなかった。

 同社は「保健所が公表しなかったので、当社も公表しなかったが、認識が甘かった」と話している。

★立ち入り検査

 埼玉県は17日、不二家の埼玉工場に対し、食品衛生法に基づく2度目の立ち入り検査を実施した。県は今回の立ち入りで、同社からの報告書の内容の事実確認や衛生管理の改善指導をより厳しく行う。

ZAKZAK 2007/01/17

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_01/t2007011732.html