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2007年01月17日(水) 00時00分

不二家製品消滅…小売店棚から商品ゾクゾク撤去ZAKZAK

今月も期限切れ使用発覚

 【20日間がメド】

 17日までに不二家製品の店頭からの撤去を決めた主な小売業者は別表のとおり。有力小売店からは不二家製品がほぼ姿を消した。期間については「安全確認ができるまでだが、問題はまだ発覚したばかりということを考えると長引くだろう」(ユニー)。

 同社の平成18年3月期の連結売上高は約848億円で、このうち卸売り菓子が約419億円。さらに「ネクター」などの卸売り食品を加えた卸売り事業が全体の約55%を占める。フランチャイズ店や直営店での洋菓子小売が約270億円ある。

 現在は洋菓子の小売りも休止。その期間は「20日間をめどに考える」(藤井林太郎社長)としている。全約800店で約15億円の減収とフランチャイズへの休業補償約3億円が予想されており、経営に大きくのしかかる。

 【ペコちゃん離れ】

 「情報を小出しにするという最悪の対応を続けている現状では、休業期間はもっと長引く可能性が高い」と業界関係者は厳しい視線を向ける。

 また、「現在、他社製品を並べているが、お客さまが不二家製品がないことを気にしている様子は見受けられない」(ユニー)と、消費者離れも起き始めている。

 食品業界は、小売店の棚でより消費者に目立つ位置、手に取りやすい位置を占めるために激烈な競争が繰り広げられている。「一度棚から商品が消えると他社の商品が入り込んでくる。そうなると、商品自体に大きな差がないため、回復するのは非常に難しい」と食品業界関係者。

 【支援先を模索】

 不二家の洋菓子事業は今期まで4期連続の赤字。子会社が運営する外食レストラン「不二家レストラン」も2期連続の赤字だ。今期は販促費を削ることなどでなんとか7億円の連結営業益を見込んでいたが、業績の悪化は必至となった。外食事業の再建策として今月中旬に予定していた新会社の設立も延期された。

 大局的にみても菓子業界は少子化の影響でパイが縮小傾向だ。生産額をみると、平成3年のピーク時の2兆5699億円から17年には2兆3385億円に減少している。

 資金繰りについては、藤井社長は「当面大丈夫」とする。メーンバンクのりそな銀行からの融資も検討されているが、「りそな銀は不二家単独での再生は厳しいとみており、複数の企業を支援先として検討を始めている」と関係者。

 【森永の出方待ち】

 長年培った「ペコちゃん」ブランドや銀座の本社などの不動産、アイスクリーム専門店「サーテーィーワン」などの資産は「非常に魅力的」(菓子大手)だという。

 支援先の最有力候補は、不二家株の3.95%を持つ森永製菓だ。両社は昭和62年から株式の持ち合いを続けている間柄で、配送の共同化などに取り組んでいる。

 一方で、200円を割り込んだままの株価に乗じて、外資などの投資ファンドが触手を伸ばす動きもみられる。

【製品を撤去した主な小売業者】

セブン&アイ・ホールディングス(イトーヨーカ堂、セブン−イレブン) 約1万2000店
イオン(ジャスコ、ミニストップ)約3000店
ローソン8492店
ファミリーマート6880店
サークルKサンクス約6300店
ダイエー485店
西友392店
ライフコーポレーション195店
マルエツ191店
ユニー147店
いなげや129店
東急ストア101店
サミット84店
イズミヤ約80店
大丸ピーコック66店
東武ストア48店
クイーンズ伊勢丹18店
コープネット事業連合約190店

ZAKZAK 2007/01/17

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_01/t2007011733.html