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2007年01月17日(水) 22時50分

自動車7社、医療費助成に応じる意向 東京大気汚染訴訟朝日新聞

 東京都内のぜんそく患者らが国や都、自動車メーカーなどに損害賠償などを求めた東京大気汚染公害訴訟の和解協議で、都が示した医療費助成制度案に、被告の自動車メーカー7社すべてが資金を拠出する意向を東京高裁に伝えたことがわかった。17日に記者会見した原告団が明らかにした。都は国にも資金拠出を求めており、メーカー側の足並みがそろったことで、拠出に慎重な国の対応が今後の焦点となる。

 都が東京高裁に示した助成制度案は、都内に住むすべてのぜんそく患者が対象。都の試算では年間約40億円が必要で、国と都が3分の1ずつ、メーカーと首都高速道路公団(現・首都高速道路)が6分の1ずつ負担する。

 原告団によると、メーカー7社はこれまでの協議で、(1)7社すべてが制度に参加する(2)メーカー側の負担額は都が現在示している額が上限——などの条件で、いずれも都の案を受け入れる意向を高裁側に伝えたという。

 一審判決は、車の排ガスとぜんそくの因果関係を認め、国や都などに賠償を命じる一方、メーカー7社の責任は認めなかった。国の窓口の環境省は「排ガスと病気の因果関係が証明されていない」と主張し、都の案に慎重な姿勢を崩していない。

 原告団は助成案の内容やメーカーの姿勢を高く評価する一方、助成の対象に慢性気管支炎なども加えるよう求めている。原告団は和解の前提として被告側に謝罪と解決金の支払いも求めているが、メーカーも国も都も、これまでの協議では前向きではないという。

http://www.asahi.com/national/update/0117/TKY200701170428.html