記事登録
2007年01月17日(水) 19時47分

「食の信頼を揺るがした」 不二家社長に厚労省朝日新聞

 大手菓子メーカー「不二家」(本社・東京)が期限切れ原料を使用した問題で、厚生労働省は17日、藤井林太郎社長を呼び、社全体で事実解明に取り組むとともに、食品衛生法に基づく関係自治体の調査に対し、正確な情報を提供するよう求めた。藤井社長は「深くおわび申し上げます。原因究明と対策を急ぎ、食の安全・安心を取り戻せるように努力します」と陳謝した。

厚労省の藤崎清道食品安全部長(右)へ謝罪する不二家の藤井林太郎社長(左から2人目)=17日、東京・霞が関で

 今回の問題では、期限切れの原料を使用したと本社が発表した菓子について、工場の提出した報告書に記載がない不手際などがあった。同省は本社と工場の連携がとれていないとして、社長に直接要請することが必要と判断した。

 同省の藤崎清道・食品安全部長は「国民の食への信頼を揺るがした重大な事案。大変遺憾だ」と述べた。一刻も早い事実究明と、食品製造の安全管理体制を整え、衛生管理徹底も求めた。

 また、藤井社長は同日、農林水産省の岡島正明・総合食料局長とも面談。岡島局長は、問題を社内で把握した後、2カ月も公表しなかったことに「食品企業として倫理にもとる」と指摘。早急にコンプライアンス(法令順守)態勢を確立し、今後は積極的に情報公開するよう指導した。

 同省は、期限切れの原料を使ったとされる菓子の表示が日本農林規格(JAS)法に違反していなかったかなどについて調べている。

http://www.asahi.com/national/update/0117/TKY200701170389.html