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2007年01月16日(火) 00時00分

原材料の使途管理ずさん 不二家 製品の回収困難に 東京新聞

 大手菓子メーカー「不二家」(本社・東京都中央区)の期限切れ原料問題で、同社の埼玉工場(埼玉県新座市)では、製品の原材料がどの商品に使われているかの管理がずさんだったことが十六日、埼玉県の調べで分かった。同社は同日午後、問題の経緯や原因、再発防止策を盛り込んだ報告書を埼玉県川口保健所に提出する。これを受けて同県では、週内にも再度、立ち入り検査を行い、原材料の入荷から製品出荷までの衛生管理を徹底するようマニュアル作りも含めて指導する方針だ。

 同県によると、埼玉工場では、どの製品にどの原材料を使ったかという管理が厳密に行われていなかった。このため、古い原材料を使った製品と新しい原材料を使った製品があっても、混在したまま出荷されていたもようで、出荷後に製品を回収しようとしても事実上、追跡が困難な状態だった。

 一方、同社の衛生基準では、厚生労働省が定める洋生菓子一グラム中の細菌数十万個以下より厳しい一万個以上を「出荷停止、再検査」としていた。しかし、製品の検査結果は出荷後二日経過しないと判明しないという。

■苦情、日に300件超す

 不二家本社の顧客相談電話窓口には十一日の消費期限切れ牛乳などの使用問題を発表以降、一日当たり三百件を超える苦情や問い合わせが消費者らから相次いでいる。同社人事総務部によると、「手元に商品があるが、食べても大丈夫か」といった安全性への不安や、「認識が甘い」など、同社の対応や姿勢を批判する内容だという。

 苦情などの電話は、日中は回線がつながりにくくなるほど殺到している状態で、同社は十二日から「お客様サービス室」のフリーダイヤルの受け付けを二十四時間体制に拡大。十数人が対応に当たっている。

 また同社の藤井林太郎社長は、近く農林水産省に一連の不祥事について説明に訪れる予定で、日程を調整している。同社フリーダイヤルは(0120)047228。

■「調査待ち対応」厚労相

 柳沢伯夫厚生労働相は十六日の閣議後会見で、不二家の期限切れ原料使用問題について「極めて遺憾だ」と述べるとともに、厚労省としての具体的な対応は、自治体の調査結果がまとまるのを待って検討する考えを示した。

 厚労相は「食品衛生法に基づく自治体の調査結果が明らかになれば、その段階で、必要であれば法令に照らして必要な措置を取る」と述べた。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070116/eve_____sya_____001.shtml