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2007年01月16日(火) 14時35分

第一生命1800件不払い、三大疾病特約で150億円読売新聞

 大手生命保険会社の医療特約付き保険で保険金不払いが発覚した問題で、第一生命保険のがんや脳卒中、心筋梗塞(こうそく)の三大疾病特約に大量の不払いがあることが16日、明らかになった。

 保険金の不払い件数は2006年12月時点で1800件(約50億円分)あり、このうち約300件の契約については、すでに計6億9000万円の保険金を追加して支払ったとしている。ただ、今後の調査で不払い件数は最終的に5000件程度まで拡大し、不払い総額は150億円規模に達する可能性もある。

 不払いが判明したのは、三大疾病にかかった場合に保険金が支払われる「シールド特約」で、三大疾病が原因で入院した場合、通常の入院・手術給付金に加え、病気療養中の生活保障などの目的で100万〜2000万円が支払われる商品だ。日本人に多い病気で手厚い保障を受けられるため、主契約となる死亡保障保険に加えて加入できる特約の中でも人気商品となっており、06年3月末の契約件数は約350万件に上る。

 今回の不払いは、契約者が通常の入院給付金などを請求する際に発生した。保険会社は、契約者が入院給付金などを請求する際に提出する医師の診断書をもとに、三大疾病であることを確認している。しかし、契約者からの請求がない場合は、契約者に保険金の支払い対象であることを知らせておらず、契約者が気付かずに請求しないケースが相次いでいた。

 入院・手術給付金が1件あたり5000〜20万円程度であるのに対し、三大疾病特約は契約状況に応じて100万〜2000万円の範囲で選べるため、追加支払いの総額も膨らむ見通しだ。第一生命は「がんと告知されていない契約者もいて、案内しにくいという事情もある」などと説明している。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20070116i105.htm