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2007年01月16日(火) 12時57分

第一生命、新たな不払い1800件 特約中心に50億円朝日新聞

 第一生命保険は16日、過去5年間にがんなど特定の病気にかかった際に保険金を支払う医療保険の「特約」を中心に、新たな不払いが見つかったと発表した。加入者が保険金をもらえる可能性があるのに請求がないとして支払っていなかったもので、過去5年間で最大約1800件、50億円規模になる。未請求を理由とする不払いは他社にもあるとみられ、問題は業界全体に広がりそうだ。

 第一生命によると、昨秋から請求漏れが無いかを確認し直した。約1800件の加入者を対象に問い合わせたところ、昨年12月末までに約1400件の契約者から反応があり、うち約500件については即時に支払う必要があると判断した。保険金は1件あたり平均300万円で、現在229件約6億9000万円分について追加の支払いを終えたという。

 同社は「がん告知がされていない加入者に対しては、具体的な案内をすると病名告知につながる可能性があった」と釈明している。

 問題になっているのは、がんや脳卒中、心筋梗塞(こうそく)に備える「3大疾病保障特約」。入院や手術のための給付金とは別に数百万円の一時金を支払うもので、両方を受け取るにはそれぞれ別の請求手続きが必要になる。

 ところが第一生命の自主調査では3大疾病にかかっている疑いがあるのに入院などの給付金のみを請求し、一時金は請求していない加入者が多数見つかった。

 第一生命では05年10月に25件約2300万円の保険金不払いが発覚している。

http://www.asahi.com/national/update/0116/TKY200701160201.html