記事登録
2007年01月15日(月) 00時00分

レジ袋有料化 杉並できょうから実験 売り上げ減の心配ない!? レジ袋有料化の実験が15日から始まるサミット成田東店。レジ台には有料化を知らせるシールがはられ、再利用促進のための丈夫なレジ袋(店員の手の中)を配った=東京都杉並区で 東京新聞

 東京都杉並区と中堅スーパー・サミット(杉並区、首都圏八十五店)がレジ袋を有料化して削減効果を調べる実験が十五日、同区にあるサミット成田東店で始まる。四月に施行される改正容器包装リサイクル法では、レジ袋の減量が小売業者に義務づけられる。スーパーやコンビニのレジ袋はこれまで「無料」が常識だったが、今後、有料化の流れが進むかどうか占う意味でも、結果が注目されている。

 杉並区は昨秋、全国で初めてサミットと住民団体の区レジ袋削減推進協議会の三者で有料化の協定を締結。実験はそれに基づいたもので、三月末まで実施する。現在約30%にとどまっている同店の「マイバッグ」持参率を60%に上げることが目標だという。

 この間、店では客にレジ袋を提供せず、希望する客には一枚五円で販売する。同区などは、周辺約三千四百戸にマイバッグとして使える布製袋を配布。店でも、マイバッグ持参率の低い深夜の客向けに再利用できる丈夫なレジ袋を配り、袋の持参を呼びかけた。

 実験の結果、成果が上がれば、区は他のスーパーにも有料化を勧める。削減が進まなければ一層の強化策として、二〇〇二年に条例で制定(施行は保留)したレジ袋税を課すことを検討する。

 有料化は、既に生活協同組合や一部スーパーで実施。大手ではイオンが十一日、京都市の一店舗で始めたのが初の本格的な取り組みだが、二の足を踏む業者も多い。

 サミットの高田浩社長自身、協定締結時に「有料化は売り上げにプラスにならないと覚悟」と発言。「正直言って(行政や住民団体の支援なく)単独で導入するのは恐ろしい」(東急ストア)など、顧客流出などを不安視する声も根強い。

 杉並区は、こうした業者側の不安が無用の心配であることを実験で証明できると期待する。

<メモ>改正容器包装リサイクル法 小売業者にレジ袋の削減を義務づけた。レジ袋を大量に使う業者の削減への取り組みが不十分な場合、国が是正勧告したり命令したりできる。改善しない場合は50万円以下の罰金。レジ袋有料化は反対意見が強く、盛り込まれなかった。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070115/mng_____sya_____007.shtml