記事登録
2007年01月13日(土) 00時00分

納豆品薄、TV効果で増産追いつかず読売新聞


殺到する注文に追われる納豆工場(12日、水戸市のだるま食品で)

 7日夜のテレビ番組で、「ダイエット効果がある」と取り上げられた納豆の売り上げが急増し、全国の小売店で品薄状態になっている。

 放送翌日には品切れ店が続出、全国の納豆生産量の約5割を占めるとされる茨城県では中小メーカーにも新たな注文が舞い込み、増産に追われている。

 番組はフジテレビ系列の「発掘!あるある大事典2」。「朝晩に1パックずつ納豆を食べると効果的」などと紹介した。

 「おかめ納豆」で知られる最大手のタカノフーズ(茨城県小美玉市)や「金のつぶ」シリーズのミツカン(愛知県半田市)には、放送後、通常の倍以上の注文が殺到。両社は11日付の各紙朝刊に品薄をわびる広告を掲載した。

 注文は中小メーカーにも。「昔ながらの納豆屋さん」を製造するオーサト(茨城県取手市)では、9日から注文が1・5倍に増加。10日には在庫がなくなった。

 「だるま納豆」のだるま食品(水戸市)にも取引がなかったスーパーなどからも注文が来ており、高野正巳社長は「40年近く仕事をしているが、こんなことは初めて」という。

 全国納豆協同組合連合会(東京都台東区)は「以前も納豆がテレビで取り上げられ、売り上げが伸びたが、1〜2週間で元に戻ってしまった。今回は影響が続けばいいが……」と願っていた。

 納豆など発酵食品に関する著作のある小泉武夫・東京農大教授は、「健康志向の高まりで、食品がメディアに登場すると消費者が簡単に左右される傾向が強まっている。根拠があいまいな情報が流されることもあり、消費者も慎重になる必要がある」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/news/20070113gr03.htm