記事登録
2007年01月13日(土) 18時44分

津の小中6校に脅迫状 昨年の7〜11月朝日新聞

 昨年7〜11月に津市内の公立小中学校6校に、「児童を殺すぞ」などと書かれた脅迫状が届く事件が相次いだ。いずれも実行されなかったが、各校は津署に脅迫の被害届を出した。脅迫状には、「狙う」とすべきところを「粗う」と間違えていたり、届いた時点ですでに犯行予告時刻が過ぎていたり、稚拙な面もあるという。同署は「悪質ないたずら」とみており、脅迫事件として捜査を進めている。(疋田多揚(さわあき))

 津市などによると、脅迫状は、各校にそれぞれ1通ずつの計6通。いずれも郵送で、消印は津中央郵便局。市販の封筒やはがきに、黒のペンやワープロなどで「放課後に男女2人で校庭に乱入し、児童を殺すだろう」などと書かれた文書が入っていたという。中には「脱獄犯が侵入して襲う」といった内容もあった。

 あて先はいずれも校長あてで、差出人は偽名だった。同署は、筆跡や文章の内容などから同一人物による犯行とみている。

 11月上旬に脅迫状が届いた津市内の小学校では、連絡網で各家庭に注意を呼びかけた上、犯行の「予告日」には、1、2年生の下校に合わせるため、3〜6年生の授業を切り上げて早めに下校させた。児童は教諭や地元の人が見守る中、集団下校した。

 10月に脅迫状が届いた小学校では、事件後、津署に依頼して防犯訓練を実施した。教職員らがさすまたを持ち、教室内に侵入した「不審者」役の署員と格闘、もみあった末に組み伏せた。校長は「それまでは脅迫事件をひとごとのようにみていた。実際に我が身に起きてみて、教師らの危機管理意識が格段に高まった」と話す。脅迫状については「『いたずら』であっても、子どもの命を軽んじるもので許せない」と憤りを隠さない。

 津署は「反応を見て楽しんでいる愉快犯なのだろうが、脅迫罪に当たる」としている。同署によると、学校の授業時間を短縮させたことは、威力業務妨害罪にあたる可能性もあるという。脅迫罪なら2年以下の懲役、威力業務妨害罪なら3年以下の懲役などに処される。同署は各校や市教育委員会と連携して、容疑者特定に向けて調べを進めている。

http://mytown.asahi.com/mie/news.php?k_id=25000000701130003