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2007年01月13日(土) 00時00分

日本興亜社長が辞任 事実上の引責 東京新聞

 日本興亜損害保険は十二日、四月一日付で松沢建社長(68)が代表権のない会長に退き、後任に兵頭誠副社長(61)が昇格する人事を発表した。損保業界では保険料不払いが問題となっており、日本興亜でも大量の不払いが発覚している。記者会見した松沢社長は在任期間が丸六年となることを交代理由に挙げたが、事実上の引責辞任となる。

 引責辞任との見方について松沢社長は「全く関係ない」と否定し、会長として再発防止体制の構築に努める考えを強調。しかし、同社が四月末を期限とする不払い調査の後、金融庁の処分を待ち、自身の会長辞任を含めた経営責任の明確化をするとした。

 松沢社長は一九九八年、旧日本火災海上保険の社長に就任し、二〇〇一年の旧興亜火災海上保険との合併を実現。保険自由化に伴う損保業界再編の口火を切った。

 新社長となる兵頭副社長は不払いの原因を「顧客の視線で考えねばならなかったことを企業の論理で進めた」と分析し、早期の信頼回復を目指す考えを示した。

 兵頭 誠氏(ひょうどう・まこと)早大卒。1967年日本火災海上保険(現日本興亜損保)。日本興亜損保専務執行役員を経て2005年6月から取締役・副社長執行役員。神奈川県出身。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kei/20070113/mng_____kei_____004.shtml