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2007年01月13日(土) 14時34分

勾留中死亡訴訟が和解 朝日新聞

  栖本町(06年に天草市と合併)の井上道徳元町長(当時77)が勾留(こう・りゅう)中に死亡したのは、県警が持病への対応を誤ったためだとして、遺族が県に約5700万円の損害賠償を求めた訴訟の和解が12日、福岡高裁(石井宏治裁判長)で成立した。県側は遺族に総額約3千万円を支払う。

  一審・熊本地裁は、県側の過失を認め約3千万円の支払いを命じたが、県が控訴。しかし、高裁の和解勧告に双方が応じた。遺族側は「県警が自らの過失を認めたと判断した」としている。

  一審判決によると、井上元町長は00年5月8日、町議選に絡む公選法違反(寄付行為の禁止)容疑で県警に逮捕され、熊本東署での勾留中に体調不良を訴えて病院に運ばれたが、同月23日、急性心筋梗塞(・・こう・そく)で死亡した。元町長は血液が固まるのを防ぐ薬を一日2錠飲む必要があったが、署の留置担当官と担当医は一日1錠しか投与しなかった。

  県警の森田惟信・首席監察官は「遺族の心情を配慮し和解した。これを教訓として今後の留置管理業務に生かしたい」とのコメントを出した。

http://mytown.asahi.com/kumamoto/news.php?k_id=44000000701130003