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2007年01月13日(土) 14時34分

同和優遇3措置廃止へ/奈良市朝日新聞

 奈良市の同和施策の総点検を進めている「同和行政を真に人権行政にするための検討委員会」(委員長=野口道彦・大阪市立大大学院教授)は12日、施策の財政措置の根拠だった地対財特法が失効した01年度末以降も続けられていた優遇措置のうち、固定資産税、保育所の保育料、国民健康保険料の減免の3措置を来年度から廃止すべきだ、とする見直し案をまとめた。市は受け入れる方針。減免総額は今年度で約8400万円に上る。

 市はこれまで、固定資産税と保育料の5割、国民健康保険料の4割を減免しており、今年度の減免額はそれぞれ約2700万円、約1700万円、約4千万円となっている。

 検討委は「減免措置は旧同和地区の環境を改善するために始まったが、同地区は一定の生活水準に達しており、市民の理解を得られない。続けることで、かえって差別を助長することになる」とした。

 また、部落解放同盟の関連施策についても見直しを検討。市が人権啓発活動の一環として、同奈良市支部協議会(市協)へ交付している補助金(今年度300万円)は、市に必要性を再検討するよう提言。市協関連のNPO法人や実行委員会に委託している人権啓発事業(同1012万円)については、一般公募するか、委託方法を改めるよう求めた。

 市人権啓発センター内に、市協が事務所を置いていることも「好ましくなく、退去を求めるべきだ」とした。市協は年額63万円で市から借りているという。

 同検討委は今後、市が旧同和地区の自治会に無償貸与している18カ所の市営駐車場の有償化や、市協と市との団体交渉(セクション別交渉)のあり方、9カ所の市人権文化センター(旧隣保館)への指定管理者制度の導入などを検討し、今年度中に最終提言をまとめる。

http://mytown.asahi.com/nara/news.php?k_id=30000000701130002