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2007年01月13日(土) 13時29分

北朝鮮「拉致解決済み」を強調…訪朝の山崎氏が会見読売新聞

 【北京=加藤理佐】北朝鮮を訪問していた自民党の山崎拓・前副総裁は13日午前(日本時間同)、平壌から北京に到着し、市内のホテルで記者会見した。

 山崎氏は、平壌で会談した宋日昊(ソン・イルホ)日朝交渉担当大使が拉致問題について「解決済み」と強調し、進展がなかったことを明らかにした。

 山崎氏は日本人生存者の早期帰国を求めたが、宋大使は、拉致被害者の横田めぐみさんとは別人のものと判明した「遺骨」の返還を要求した。北朝鮮のミサイル発射や核実験実施で事実上死文化したとされる日朝平壌宣言については、現在も有効だと確認した。

 また、1月下旬に予定される米国の金融制裁を巡る米朝協議の直後に6か国協議を再開するのが望ましいとの考えで一致した。

 核問題に関し、山崎氏は2回目の核実験の中止を求めた。宋大使は「今後の米国の出方次第だ」と答えるにとどめた。

 日本独自の対北朝鮮制裁について、宋大使は「効果はない。共和国(北朝鮮)への大変な差別だ。断じて許せない」と反発し、日朝交渉を再開する意思がないことを表明した。一方で、「近い将来、情勢の大きな変化があり、勇気をもって努力すれば必ず道は開ける」とも強調したという。

 山崎氏と宋大使との会談は計5回、約15時間に及んだ。山崎氏は、自らの訪朝に対する「二元外交」批判について、「議員外交なので、批判はあたらない。政府の外交方針をわきまえて行動した」と述べた。

 山崎氏は、行き詰まった日朝関係の打開を模索するため、9日に平壌入りした。自民党の田野瀬良太郎・副幹事長(山崎派)も同行した。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070113i103.htm?from=main1