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2007年01月12日(金) 00時00分

参院選で財界支援?「残業代ゼロ法案」安倍固執のワケZAKZAK

 政府は、一部のホワイトカラーを残業代の支払い対象から外す「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション制度」導入のための関連法案を今月25日からの通常国会で提出する構え。だが、参院選を目前に、与党側の反発が強いため、法案を棚ざらしにする可能性が強い。サラリーマンを敵に回すこと必至の法案。政府がこの時期の法案提出にこだわる事情とは…。

 政府が、「少子高齢化で人口減少を迎えるなか、働き方を変えないと日本社会は対応していけない」として、あらゆる雇用環境の改善を手がけるうちの1つとして、取り上げている同制度。

 安倍首相=写真=も「(労働時間短縮により)家で過ごす時間は例えば少子化にとっても必要。ワーク・ライフ・バランスを見直していくべき」と、制度が生む効果を強調する。

 だが、なぜ今のタイミングか。安倍首相が掲げる「再チャレンジ」の一環という指摘もあるが、永田町事情通がこう解説する。

 「小泉内閣で導入を決定し、厚生労働省の審議会で議論した結果、同制度も含めた労働基準法の改正という話になった。安倍政権で制度導入への拍車がかかった背景には、参院選に向けて同制度の導入を提言している財界の支援取り付けがあるのではないか」

 日本経団連は賃金低下につながることから、平成17年6月に同制度導入の提言を発表。「いつも財界にお願いばかりしているから、今度は財界の要望を受け入れることで自民党支持とのバーターになる」(同)とも。

 政府は同制度の対象を、非管理職で年収900万円以上の会社員とする方針。20万人程度にのぼり、実際に適用対象となるのは、1割程度の2万人と見通している。

 得る票と、失う票。算数をやる前に、閣僚や自民党幹部が繰り返す「国民の理解を得る努力」に汗をかいてもらいたいものだ。

ZAKZAK 2007/01/12

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_01/t2007011229.html