記事登録
2007年01月12日(金) 01時18分

福岡市教員試験、問題案自体が流出…漏えいの認識も読売新聞

 福岡市立小中学校教員採用の2次試験漏えい問題で、市教委は11日、福岡教育大OBで市教委ナンバー3の理事(60)が同大の先輩の元同市立小学校長(65)(今月1日から行方不明)に問題案自体を渡した可能性が高いとする中間報告を公表した。

 理事は市教委に対し「漏えいとの意識があった」と認め、動機については「福教大のこと、先輩後輩のことを考えたのか、公平性を欠くことになるが何とかしてやりたい気持ちがあったかもしれない」と話したという。

 また、小中学校の合格者219人のうち、福教大卒業生24人を含む25人が「予想問題を事前入手した」と回答した。しかし、「実際に出題される」と認識していた人はいなかったという。市教委は、予想問題が得点に与えた影響を慎重に分析している。

 漏えいの経緯について、理事は、委員長を務める試験問題検討委員会が開かれた昨年7月6日朝、職員から問題案を渡され、理事室の机の上に置いていた。同7月下旬か8月上旬、理事室を訪ねた元校長に「問題案を見ながらキーワードを話した」という。「話した内容が出たらまずいと思い、『このまま使わず色々な情報を入れながら組み立ててくれ』と伝えた」と説明し、漏えいを隠ぺいしようとしたことも認めた。

 また、「別れ際に過去の合格者の手記8枚を渡したが、気づかずに問題案を一緒に渡したかもしれない」と話したという。

 元校長は予想問題を作成し、福教大同窓会が主催する卒業生対象の勉強会で配布した。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070111i415.htm