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2007年01月12日(金) 00時00分

ヤミ金3人心中 取り立て役4人実刑 東京新聞

 大阪府八尾市の夫婦ら三人が二〇〇三年、ヤミ金融の取り立てを苦に心中した事件で、恐喝と出資法違反の罪に問われた元健作被告(25)ら取り立て役四人に対し、大阪地裁は十二日、「犯行は卑劣で冷酷、執拗(しつよう)。その厳しさは被害者が自殺するほどのもので、極めて悪質だ」として、いずれも罰金付きの懲役四−三年の判決を言い渡した。

 判決理由で宮崎英一裁判長は「系統だった役割分担がなされており、組織的で計画的。近親者や勤務先にも電話をかけるなどと伝え精神的に追い込んだ」と指摘。被告らが従属的な立場だったことなどを考えても実刑が相当との判断を示した。

 元被告、南勇介被告(26)、長剛志被告(24)の三人が懲役四年、罰金五十万円(求刑懲役五年、罰金五十万円)、事件当時少年の被告(23)は懲役三年、罰金三十万円(求刑懲役四年、罰金三十万円)。

 判決によると、元被告らは〇三年、貸付金を返していた清掃員の妻=当時(69)=に債務が残っていると言い掛かりをつけ、利息などの返済名目で約十五万円を恐喝。別の債務者からも勝手に金を貸し付けるなどして十二万円を脅し取った。

 また、妻らに最大で法定金利の約二百七十倍で金を貸し、利息の超過分を受け取るなど違法な貸し付けをした。

 夫婦は〇三年六月十四日未明、妻の兄=同(81)=と三人でJR関西線の線路に入り電車にはねられ死亡。ヤミ金の脅迫的な取り立てが社会問題化し、罰則が強化される契機となった。

 元被告らは昨年三月に逮捕された。グループの店長格らは指名手配中。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070112/eve_____sya_____002.shtml