記事登録
2007年01月12日(金) 17時58分

フルキャストを捜索 警備業務に違法派遣容疑 宮城県警朝日新聞

 人材派遣大手のフルキャスト(本社・東京都渋谷区)が、労働者派遣法で禁じられた警備業務にスタッフを派遣していた疑いが強まったとして、宮城県警は12日午前、都内の本社や、仙台市青葉区の仙台支店などの捜索を始めた。昨年春以降、少なくとも延べ数十人のスタッフが派遣されていたと県警は見ており、本社側に違法性の認識があったかどうか、解明を進める。

 生活安全企画課などの調べでは、フルキャストは昨年10月上旬、仙台市に住む男性スタッフ数人を、埼玉県所沢市の警備会社の仙台市にある東北支社に派遣。他人の生命を守る責務がある専門職のため警備員の派遣は同法で禁じられているにもかかわらず、仙台市泉区のスーパーマーケットの駐車場で交通誘導に従事させた疑い。

 男性スタッフは「事前にフルキャストから『交通整理をしてもらう』と説明を受けて、派遣された」と話しているという。

 警備業法などでは、警備員に30時間以上の教育を課すことなどを義務づけているが、この警備会社は、男性スタッフらを業務当日に駐車場に集めて、教育を受けさせずに交通誘導にあたらせていたという。この警備会社も昨秋、警備業法違反容疑で捜索を受けている。

 フルキャストは昨年8月、労働者派遣法で禁じられた建設業務に派遣労働者を従事させていたとして、神奈川労働局に是正指導を受けていた。

 フルキャストのホームページによると、同社は昨年9月末で154万人の登録スタッフがいる業界大手。東証1部上場で、昨年9月期の連結売上高は901億円。宮城球場がプロ野球楽天の本拠地になるにあたり、命名権(ネーミングライツ)を05年から3年契約で取得している。

http://www.asahi.com/national/update/0112/TKY200701120319.html