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2007年01月12日(金) 11時09分

実行犯の4被告に実刑判決 大阪・八尾ヤミ金心中事件朝日新聞

 大阪府八尾市の夫婦ら3人が03年、ヤミ金融グループの過酷な取り立てを苦に心中した事件で、取り立て行為の実行犯として恐喝と出資法違反の罪に問われた南勇介(26)、長(おさ)剛志(24)、元(はじめ)健作(25)、当時19歳だった男(23)の4被告の判決が12日、大阪地裁であった。宮崎英一裁判長は「取り立てや資金の管理など組織的に役割分担し、被害者から金銭をむしり取った卑劣な犯行だ」と述べ、南、長、元の3被告に懲役4年、罰金50万円(求刑懲役5年、罰金50万円)、男に同3年、同30万円(同4年、同30万円)を言い渡した。

 判決によると、4被告は03年5〜6月、東京に事務所を置く金融業者「アクセス」などと称し、八尾市の妻(当時69)らに「そこに住まれへんようにするぞ」などと何度も電話をかけ、計約27万円を脅し取るなどした。生活に困窮した妻と夫(同61)、妻の兄(同81)は同年6月14日、JR大和路線の線路で自殺した。

 宮崎裁判長は、4被告が被害者に借り入れの意思がないのに一方的に金銭を振り込み、難癖をつけて返済を認めなかったと指摘。「昼夜問わずに(夫婦宅の)付近住民らに電話をするなどした取り立ての厳しさは、被害者を自殺に追い込むほど悪質だった」と述べた。

 事件をめぐっては、同グループの資金管理役だった長野和人被告(34)=控訴中=ら2人が昨年9月に懲役4年、罰金100万円の判決を受けている。

http://www.asahi.com/national/update/0112/OSK200701120013.html