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2007年01月12日(金) 02時37分

不二家の期限切れ牛乳使用問題、社内調査の警告放置読売新聞

 大手菓子メーカー「不二家」(本社・東京)が昨秋、埼玉県新座市の埼玉工場で、消費期限切れの牛乳を使ったシュークリームを製造・出荷していた問題で、同社は昨年11月、発覚すれば7年前に集団食中毒事件で業績が大きく落ち込んだ雪印乳業と同様の事態に陥ると、社内調査の報告で警告されていたことが分かった。

 同社はずさんな管理体制を認識しながら、公表の検討すらしていなかった。

 社内調査の結果は、昨年11月、藤井林太郎社長ら同社幹部に報告された。配布資料には、「消費期限切れ原料の使用がマスコミに発覚すれば、雪印乳業の二の舞となることは避けられない」と記述されていた。しかし、同社では、この時点で問題の商品はすべて販売・消費されていることから、公表を検討しなかった。

 藤井社長は11日の会見で、調査結果を公表しなかったことについて「事実確認や工場の改善を優先した。反省している」と釈明。問題の発覚時期はクリスマス商戦の直前だったが、同社は「隠ぺいの意図は全くなかった」と強調した。健康被害に関する苦情などは寄せられていないという。

 一方、埼玉県は11日、食品衛生法に基づき、同工場を立ち入り検査。問題の時期にシュークリーム製造に使われた牛乳に関する記録が工場内に残っていないとして、安全管理体制の確立まで製造を再開しないよう指導した。工場内のカスタードクリームなどを県衛生研究所で検査し、来週にも再び立ち入り検査する。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070111it15.htm