不二家は「過去にも数回、同様のことがあった」としており、期限切れ牛乳の使用が常態化していた疑いもある。
シュークリームは出荷前の細菌検査で問題はなく、同社に対して現在までに健康被害の報告はないという。
同社は「社内規定に反する行為」と責任を認めているが、食品衛生法に触れる可能性も浮上している。
不二家によると、社内の諸問題改善に向けて設置したプロジェクトチームが昨年十一月に調査したところ、埼玉工場の原料仕込み担当者が「十一月七日消費期限の牛乳四ロット(六十リットル)分を、十一月八日に使用した」と証言。
さらに、担当者は「捨てると怒られる。においをかいで品質的に問題ないと判断したら使っている」と、これまでにも期限切れ牛乳を使っていたことを認めたという。
プロジェクトチームは十一月十三日、同社の幹部らでつくる委員会に事実を報告。この牛乳をカスタードクリームの原料に使ったシュークリーム約二千個は、同月十一日を消費期限として既に出荷済みだった。
埼玉工場長が、この担当者に厳重注意したところ、この担当者は「申し訳ない」と話したという。
埼玉工場以外の北海道、大阪、佐賀など七工場はプロジェクトチームの調査対象になっておらず、同社は他工場での期限切れ牛乳の使用について「現在調査中」としている。
同社の河村宣行人事総務部長は「改善すべき事実として受け止め、公表するということには思い至らなかった。今後は法令順守を徹底し、再発防止に全力を挙げたい」と話している。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070111/mng_____sya_____006.shtml