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2007年01月11日(木) 21時58分

阪神大震災から12年読売新聞

歌と絵と文字で 心の痛み伝えよう

西村さんの作品の展示方法を検討する主催者←
 阪神大震災から12年目を迎える17日、被災者らの心の痛みを歌や絵画で伝えようと、震災を体験したアーティストらが、「忘れないで神戸展」を岐阜市湊町の旅館・十八楼別館で開く。企画した県内の有志でつくる「あしたのまちつくり隊」の柴田幸泰代表(60)は「東海大地震や東南海地震などの発生が想定される中、被災者の心の痛みを知ってもらい、巨大地震への備えに結びつけてほしい」と話している。

 柴田さんらの呼びかけに協力するのは、兵庫県姫路市から本巣市根尾に移り住んで唱歌や童謡を広める活動をしている唄(うた)つむぎ和音(かずね)さん(52)=本名・中村和子さん=と、兵庫県西宮市、パステル画家西村季子(ひでこ)さん(63)。

 唄つむぎさんは震災直後、がれきの下に埋もれた子どもが眠って凍死しないよう、母親が8時間も「赤とんぼ」などの童謡を歌い続けたという新聞記事を読み、「歌を通じて人に元気を与え、自分も生きる力を持ちたい」と歌い始めた。

 西村さんは震災直後、地震でひび割れた自宅前の道路の上に和紙を置いて、拓本をとるようにして「地震のつめ跡」を写し取り、その和紙に子どもを亡くした母親たちの祈る姿など描いてきた。

 企画展では、唄つむぎさんが、被災地に住んでいたシンガー・ソングライター、高田マミさん作詞作曲の「絹の雨」など数曲を独唱する。西村さんは、震災をテーマにして、泣きながら描いたという3部作の「大地よ」を展示する。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gifu/news001.htm