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2007年01月11日(木) 21時57分

投票用紙読み取り機導入へ読売新聞

甲府、富士吉田市、時間短縮、人件費削減狙う

 知事選や統一地方選を見据え、富士吉田市や大票田の甲府市などは、投票用紙に書かれた候補者名を自動で識別して分類する機械を導入する。山梨市など先行して導入した自治体では「格段に開票が早くなった」としており、人件費削減とともに、開票作業の時間短縮が図られそうだ。

 機械は都内の選挙機材メーカーが製造した「自書式投票用紙読み取り分類機」。表裏をそろえた投票用紙の束を置くと、書かれた人名を自動で読みとり、1分間に最大480票の速さでボックスに分別できるという。人間がさばけるのは1分間に平均5〜6枚とされ、大幅な効率化につながる。

 富士吉田市選管はこれまで、投票箱から出した票を台の上に広げ、職員が手作業で分別していたが、知事選から試験的に機械を導入することを決めた。メーカーから2台借り、「結果がよければ4月の市長選や市議選、7月の参院選にも使いたい」として購入を検討している。

 甲府市選管は昨年11月に1台約200万円で6台購入した。職員が1000票作って実験したところ、くせ字や崩し字などで書かれた約2割の票は読みとれずに、職員が手作業で分別しなければならなかった。市選管は「時間は従来の手作業と大差ないかもしれない」と慎重な見方を示すが、導入により開票作業のための職員をこれまでより100人減らすことができるなど「人件費削減には確実に役立つ」と話す。

 メーカー側は「これまでの実績から排除率は1割未満」としている。2001年の販売開始以降、全国で約400の自治体が計約1000台を購入済みという。県内では両市以外にも5自治体が導入を検討中といい、採用の動きは広がっている。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamanashi/news001.htm