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2007年01月11日(木) 00時00分

ペコちゃんも泣いている…不二家全店、販売休止ZAKZAK

 同社の藤井林太郎社長(64)は同日、東京中央区の本社で記者会見し、「生活者、関係各所に不安、ご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ありません。消費者の信頼を深く裏切り、おわびします」と謝罪した。

 不祥事を受けて同社は埼玉工場のほか、札幌、野木(栃木)、泉佐野(大阪)、九州(佐賀)の洋菓子5工場を操業停止し、全国の約800店ある全チェーン店などでの洋菓子販売も同日から一時休止する。販売休止期間は少なくとも1週間に及ぶ見込みという。

 同社によると、期限切れ牛乳が使われたのは、昨年12月8日に埼玉工場で作られたシュークリーム約2000個。このほか、昨年10−11月に消費期限が1日切れた牛乳を7回使用し、出荷されたシュークリームは合計で約1万6000個にのぼる。


幹部が読み上げた内部文書

 昨年11月の件では、現場担当者の判断で、同月7日期限の牛乳を「捨てるのはもったいない」などと翌日の8日に使用した。同社は直ちにこうした事実を把握したが、「調査を続ける必要がある」として、2カ月以上も公表していなかった。

 この点について、藤井社長は「考え方や意識に甘さがあった」と述べ、対応に問題があったことを認めた。

 また、このほかに、アップルパイなどに使用しているりんごの加工品「アップルフィーリング」の賞味期限切れを4回使用したこと、プリンの消費期限を1回、社内基準より1日長く表示したこと、細菌検査で出荷基準に満たない洋菓子「シューロール」を出荷していたことを、新たに明らかにした。

 藤井社長は「管理や認識の甘さから、期限切れの原材料は使用しないという社内規定が守られなかった」と社内での責任を認めているが、食品衛生法に触れる可能性もある。同社は同日午後から、ホームページ(HP)のトップページに「おわびと報告」を掲載、ほどなく会社概要や商品紹介などすべてのページがおわびの画面に切り替わるよう変更した。

 不二家は全国に直営とフランチャイズ店合計で約800店舗を展開。同社では「洋菓子の販売は全店舗で休止しますが、レストランとカフェは営業を続けます」(人事総務部広報担当)としている。

 今回の問題は同社の構造改革プロジェクト「2010推進プロジェクト」での昨秋からの調査で発覚したという。

 だが、不二家が一部幹部に限定して配布した「委員会外秘」という内部文書には、〈近年、企業のコンプライアンスに関する不祥事は、その多くが内部告発に端を発するものであり、消費期限切れの原料の使用がマスコミに発覚すれば、雪印乳業の二の舞となることは避けられない〉などの記述があり、不祥事隠蔽(いんぺい)の意図も見え隠れする。 

ZAKZAK 2007/01/11

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_01/t2007011123.html