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2007年01月11日(木) 12時31分

不二家、全店で洋菓子販売休止 期限切れ牛乳使用が判明朝日新聞

 大手菓子メーカーの「不二家」(本社・東京)が昨年、消費期限が切れた牛乳を使ってシュークリームを製造し、関東などに出荷していたことが分かった。同社は事実を把握した後も公表や製品回収の呼びかけをしなかったが、事実が表面化したことを受けて11日に会見し、当面、全国約800の直営店とフランチャイズ店で洋菓子販売を休止すると明らかにした。

 全国5工場の操業を、同社が品質管理を徹底できたとみなすまで休止するという。同社は全国にチェーン店をもち、ケーキなどの洋菓子の販売、レストラン、カフェなどを展開している。

 同社によると、消費期限切れの牛乳が使われたのは、昨年12月8日に埼玉工場(埼玉県新座市)で製造されたシュークリーム2000個。このほか昨年10〜11月に消費期限が1日切れた牛乳を7回使用し、合計約1万5000個のシュークリームを出荷したという。埼玉県は11日、埼玉工場に立ち入り検査した。

 社内調査によると、原料となる牛乳60キロの消費期限が前日に切れていたにもかかわらず、製造担当者が使うことを決めたという。「捨てるのはもったいない。においをかいで問題ないと思った」と言い、「2年前にもやったかもしれない」と話しており、同社は調査を進めている。

 同社は11月13日には事実を把握。広報担当者は「出荷時の細菌検査に問題はなく、健康被害の苦情もなかったので公表しなかった。認識が甘かった」と話している。

 それ以外にも、アップルパイに詰めるリンゴの加工品の賞味期限が切れていたものを使用するケースも4回あったという。

http://www.asahi.com/national/update/0110/TKY200701100407.html