記事登録
2007年01月10日(水) 00時00分

松下の「IP Phone」、まずは世界12か国で一斉発売読売新聞


アメリカ仕様の電話機。コードレス電話になっており、普通の電話機と全く変わらない外観。ITと家電の融合を象徴するような製品だ

 松下電器産業が開発した、インターネットを利用した無料電話「IP Phone」にCES入場者の関心が高い。移民の国アメリカでは、親戚が世界各地に散らばっており、国際電話の料金に敏感なためだ。同社は通話料金だけでなく、使いやすさも製品に反映させている。

 先行する「Skype(スカイプ)」はパソコン経由での接続が必要なため、設定から通話にまでこぎつけるにはパソコン初心者には少々ハードルが高い。一方、「IP Phone」が重視したのは、家電製品のような使い勝手のよさ。「Skype」同様にファイル交換ソフトの技術を利用しているものの、パソコンを介する必要はなく「プロバイダーと契約していれば、ルーターに線をつなぐだけで通話可能」(パナソニック コミュニケーションズVoIP企画担当の酒向毅さん)。留守番電話機能も付属しており、モジュラージャックに電話回線をつなげば、インターネットを経由でない普通の電話としても利用できる。

 CES開幕前の会見では、発売開始は3月と発表されたが、実際は3月以降にずれ込む模様。当初の販売予定国はアメリカ、カナダ、ブラジル、メキシコ、オーストラリア、香港、スペイン、ドイツ、オーストリア、ロシア、イギリス、アイルランドの12か国。無料通話電話への需要が高いとにらんだ地域だ。

 また、会見で発表されたネット通販大手アマゾンによる独占販売は、アメリカだけで販売開始から数か月間のみだ。

 気になるビジネスモデルだが、通話料が無料なのは、電話機とソフトの販売から3年間のみ。4年目からは、月額1000円程度の定額通話料金を予定する。とはいえ、国内、国際電話とも、この料金でかけ放題となれば、今後既存の電話会社には脅威となることは確実だろう。(YOMIURI PC 林宗治)

http://www.yomiuri.co.jp/net/feature/20070110nt02.htm