記事登録
2007年01月10日(水) 00時00分

「混浴」シリーズ24年の歴史に幕 テレ朝系読売新聞

訪れた温泉85か所に 秘湯ブーム火付け役

1982年10月に放送されたシリーズ第1作「婚前奥伊豆旅行“私を鬼女にしたのは誰”」に出演した古谷一行と木の実ナナ

“温泉ギャル”が登場する入浴シーンがシリーズの魅力の一つ。20日放送の「ファイナル」のロケを行う古谷一行、木の実ナナ、火野正平(右から)

 秘湯ブームの火付け役となり、お色気路線の人気も高かったテレビ朝日系の土曜ワイド劇場「混浴露天風呂連続殺人」シリーズが、20日午後9時から放送される「ファイナル」で最終回を迎える。24年にわたる長寿シリーズの軌跡をたどった。(川辺隆司)

 同シリーズは朝日放送(大阪)の制作で、1982年10月の「婚前奥伊豆旅行“私を鬼女にしたのは誰”」からスタートした。刑事の太郎(古谷一行)と同僚のかおり(木の実ナナ)が、各地の秘湯を訪れ、殺人事件を解決していく。引かれ合う2人の恋愛模様を交え、年1〜2回のペースで放送されてきた。

 最終回の26作目で、シリーズに登場する温泉は計85か所に達した。北海道・屈斜路湖岸の砂湯や鹿児島・屋久島の平内海中温泉など珍しい温泉も数多く紹介され、ロケ地は全国に及んだ。以前は地元の人たちが利用するだけだった秘湯に放送後、全国から温泉ファンが訪れるようになったこともある。

 シリーズの“名物”は、若い女性が素肌を見せる入浴シーン。サブタイトルにも「那須の殺生石に消えたヌードギャル」、「美乳ギャル奥信濃秘湯ツアー」など刺激的なものが多く、タイトルに地名を絡めることで、視聴者に旅情をアピールしてきた。

 最高視聴率は、86年9月の「湯けむりに消えた女三人旅、田沢湖から乳頭温泉へ…」の28・6%(関東地区)。シリーズ26作は、土曜ワイド劇場の中でも5番目となる制作数だが、昨年1月の前作「角館〜乳頭温泉〜男鹿愛欲殺人旅行!混浴外国人留学生秘湯めぐり」も15・2%(同)の視聴率を記録するなど、好調を維持していた。

 今回、シリーズを終了する理由について、森山浩一プロデューサーは「全国の温泉をひと通り回り、秘湯ブームのさきがけとなった番組の使命は終わったかなと思っている。お色気は、終了とは無関係」と話す。

 主演の古谷は「最初の作品を見たら、(木の実)ナナさんもオレも若いなって……。1回1回の思い出はたくさんあるが、60歳を超えてまでやるとは思わなかった」と感慨深げ。木の実も「日本人に生まれて良かった、と思える温泉に出合えた思い出深い作品。最終回は、シリーズの集大成にしたい」と話している。

ファイナルのあらすじ

 かおり(木の実)の娘の婚約者が箱根の温泉ホテルの跡取り息子だったため、かおりはホテルへ“偵察”に出かける。機会があれば、かおりにプロポーズしようとしている太郎(古谷)も同行する。婚約者の母・雪江(有森也実)がかおりの知り合いであることが分かり、2人は旧交を温めるが、雪江あてに脅しとも取れるファクスが届く。

http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/tv/20070110et04.htm